徳永・松崎・斉藤法律事務所

お知らせ

<法務トピックスvol.16>
「同一労働・同一賃金」に関する最高裁判決(ハマキョウレックス事件,長澤運輸事件)

2018年07月27日更新

平成30年6月1日,正社員と非正規社員との労働条件の相違に関し,労働契約法20条違反が争われた2件の訴訟について,最高裁判所の判断が示されました。

 

まず,有期契約社員と正社員との間の支給される手当の相違について争われた「ハマキョウレックス事件」において,最高裁は,賃金の相違が労働契約法20条に違反する不合理なものであるかを判断するに際して,手当ごとに個別に不合理性を検討し,住宅手当の相違についての不合理性は否定した一方,皆勤手当の相違を不合理と認め,その他無事故手当,作業手当,給食手当及び通勤手当の相違を不合理としていた原審(大阪高裁)の判断を是認しました。

 

次に,定年後再雇用の有期嘱託社員と正社員の賃金体系の相違が争われた「長澤運輸事件」において,最高裁は,賃金項目ごとに判断するという上記のハマキョウレックスと同様の判断枠組みを示した上で,相違の不合理性を判断するに際しては定年後再雇用という事情も考慮されるべき事情に該当すると述べ,検討の結果,精勤手当の相違は不合理と認めた一方(なお,これに伴い時間外手当の金額が変わることも併せて言及されています。),その他の賃金項目の相違は不合理ではないと判断しました。

 

労働契約法20条については,これに関連する訴訟が全国各地で提起されているところであり,同条に関する最高裁の考え方が示されたという意味で重要な判決といえます。他方,平成30年6月29日,働き方改革関連法が成立しており,この中で「同一労働・同一賃金」に関する規定(パートタイム労働法9条の改正)も設けられておりますので,今回の最高裁判決(特に長澤運輸事件)を受けた,これらの規定の解釈についても今後検討していく必要があるといえます。

 

参考:最高裁判所ホームページ ハマキョウレックス事件長澤運輸事件

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