徳永・松崎・斉藤法律事務所

法廷百景
私を描写したイラスト画と「肖像権」

2019年08月06日更新

熊谷 善昭 弁護士

  1.  ある集団訴訟の被告側代理人を務めているのですが,先日,原告側のホームページを見ていると,その訴訟の法廷における様子として,私が証人尋問を行っている場面を描写したイラスト画が掲載されているのを発見しました。
  2.  人は,「自己の容ぼう・姿態を描写したイラスト画について,みだりに公表されない人格的利益」を有しており,社会生活上の受忍限度を超えていれば,不法行為(民法709条)として損害賠償請求の対象になります。
     和歌山カレー事件の被告人の写真・イラストを掲載した写真週刊誌に関する最高裁平成17年11月10日判決は,①手錠・腰縄により身体の拘束を受けている状態を描いたイラスト画については,被告人の名誉感情を害し,社会生活上是認することができないものとして違法であるとしましたが,②身体の拘束を受けていない状態のイラスト画については,我が国の刑事事件の報道において被告人の動静を伝える方法としてイラスト画が用いられることは少なくなく,違法でないと判断しました。
  3.  私のイラスト画について,細かく論じることは差し控えますが,結論としては違法なものとは言えないように思います。
     著作権の問題でそのイラスト画をここに掲載できないのが残念ですが,実は,私自身,そのイラスト画を見ても,さほど嫌な気持ちにはなりませんでした(家族からは「実物より良い」とも言われました・・)。

 万が一ご興味のある方は,お声かけいただければ,イラスト画の所在をお伝えいたします。

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